障害年金の所得制限とは|2024年度基準額と支給停止のしくみ
この記事でわかること
- 20歳前傷病による障害年金は472万円以上で全額支給停止、370万円超で一部支給停止される厳しい所得制限がある
- 厚生年金加入中の初診日または20歳以降初診日の障害年金は原則として本人の所得制限がなく就労可能
- 子ども加算は224万円、配偶者加算は232万円を超えると各加算部分のみが支給停止される
- 所得制限の判定は前年度の所得を基準とし、医療費控除や障害者控除などの控除制度を活用できる
- 所得制限額は毎年4月1日に厚生労働大臣によって改定され、マクロ経済スライドが基準となる
障害年金の所得制限とは
障害年金の所得制限は、一定額以上の所得がある場合に支給が停止される制度です。これは障害年金が生活保障的な役割を果たすという制度趣旨に基づいており、働いて収入を得ている方の受給資格を制限するものです。ただし、所得制限があるからといって働けないわけではなく、適切な理解と対策により、就労しながら障害年金を受給することは十分可能とされています。
本記事では、2024年度の最新情報を踏まえながら、所得制限の仕組みを詳しく解説し、あなたが安心して就労を開始・継続できるようサポートします。障害年金申請に必要な書類一覧と併せてご確認ください。
所得制限が適用される障害年金の種類
障害年金には複数の種類がありますが、所得制限が適用されるのは限定的です。
20歳前傷病による障害年金が最も厳しい所得制限の対象です。これは20歳になる前に初診日がある傷病による障害年金で、本人の所得のみが制限対象になります。
一方、厚生年金に加入中に初診日がある障害厚生年金や20歳以降に初診日がある国民年金の障害基礎年金については、原則として所得制限がありません。受給者本人の所得額の多少に関わらず、支給は継続されるのが一般的です。
ただし、配偶者加算や子ども加算(扶養親族に対する加算)については、20歳前傷病ではなくても所得制限がある場合があります。これは加算対象者本人の所得が基準を超えた場合に、その加算部分のみが支給停止される仕組みです。
ポイント
20歳前傷病の所得制限は他の障害年金より厳しい傾向にあります。あなたがどのタイプの障害年金を受給しているか、事前に確認することが重要です。
所得制限の対象になる所得の定義
所得制限では「所得」という言葉が使われますが、これは税法上の「所得」と異なります。障害年金における所得は、給与所得控除後の給与、事業所得、配当所得、不動産所得など、複数の種類の所得を合算したものです。
厚生労働省の老健局障害年金課の通知では、所得制限に該当する所得を「年間の所得」として定義しており、その計算には各種控除が適用されます。年金の所得制限では、医療費控除や障害者控除、配偶者控除など、いくつかの控除制度を活用できる点が特徴です。
重要な点として、所得制限の判定は「前年度の所得」を基準に行われます。そのため、現在の状況が変わっても、前年度の所得が基準を超えていれば影響を受ける可能性があります。
所得制限と支給停止の関係
所得が一定額を超えた場合、段階的な支給停止が生じます。単純に「超えたら全額停止」ではなく、超過額に応じて計算される点が重要です。
支給停止の仕組みは以下の通りです:
- 全額支給停止に至らない場合:一部支給停止(減額)となり、その減額額は所得の超過額に応じて計算されます
- 一定額以上超過した場合:全額支給停止になります
支給停止の期間は通常、判定対象年度の1年間です。所得が減少して基準以下に落ちれば、翌年度から支給が再開される仕組みになっています。
障害年金の所得制限額(2024年度最新)
20歳前傷病による障害年金の所得制限額
20歳前傷病による障害年金は、最も厳しい所得制限の対象です。2024年度の所得制限額は、以下の通りです。
所得が472万円を超える場合、全額支給停止になります。また、所得が370万円を超え472万円以下の場合、一部支給停止(2分の1相当額の停止)となります。
これらの金額は毎年度改定されており、通常4月1日に新年度の基準額が適用されます。2024年度の金額は2023年度から据え置きとなっています。
所得制限額の計算には、本人の給与所得、事業所得など全ての所得が含まれます。ただし、各種控除を適用することで、実際の計算では所得を減額できる場合が多いです。
子ども加算の所得制限額
障害基礎年金に加算される子ども加算(第1子および第2子の場合)についても所得制限があります。子ども加算が対象になるのは、以下の条件を満たす子どもです。
- 受給者の子ども(嫡出子、非嫡出子問わない)
- 18歳到達年度の末日までの間にある、または20歳未満で障害等級1級または2級の障害がある
子どもが加算対象になっている場合、その子ども本人の所得が224万円を超えると、当該子どもの加算部分のみが支給停止されます。
配偶者と異なり、子どもの場合は親権者(受給者)の所得ではなく、子ども本人の所得が判定対象になる点が特徴です。そのため、親が年金を受給していても、子ども自身がアルバイトなどで稼得すれば加算が停止される可能性があります。
配偶者加算の所得制限額
配偶者加算については、配偶者本人の所得が232万円を超える場合に、配偶者加算部分のみが支給停止されます。
配偶者加算は、受給者が障害基礎年金1級で配偶者がいる場合に月額約23,000円(2024年度)が加算される制度です。この加算は配偶者本人の所得に基づいて判定されるため、受給者本人の所得がいくら多くても配偶者加算には直接影響しません。
ただし、配偶者が専業主婦(夫)であれば所得が少ないため、受給者の扶養に入っていることが一般的です。配偶者が就職する場合、その配偶者の所得額によって配偶者加算が支給停止される可能性が生じます。
過去の所得制限額の推移
所得制限額は年によって変動しており、過去5年の推移は以下の通りです。
| 年度 | 全額支給停止額 | 一部支給停止額 | 参考(子ども加算) |
|---|---|---|---|
| 2020年度 | 462万円 | 360万円 | 214万円 |
| 2021年度 | 472万円 | 370万円 | 224万円 |
| 2022年度 | 472万円 | 370万円 | 224万円 |
| 2023年度 | 472万円 | 370万円 | 224万円 |
| 2024年度 | 472万円 | 370万円 | 224万円 |
所得制限額は通常、厚生労働大臣が毎年4月1日に改定します。その基準となるのは、平均標準報酬月額の変動(いわゆるマクロ経済スライド)です。ここ数年は据え置きが続いていますが、経済状況によっては今後変動する可能性があります。
所得制限に含まれる所得と含まれない所得
所得制限にカウントされる所得の種類
障害年金の所得制限で「所得」に含まれるのは、以下のようなものです。
給与所得:給与、給料、賃金、賞与、報酬など、雇用関係による収入。給与所得控除の対象になります。
事業所得:自営業、農業、フリーランス活動による所得。収入から経費を差し引いた額です。
不動産所得:土地や建物の賃貸による所得。
配当所得:株式配当、投資信託の分配金など。
雑所得:上記以外の継続的な所得。年金以外の定期的な収入が該当します。
これら複数の所得がある場合、それぞれを計算した上で合算することになります。
給与所得・事業所得の計算方法
給与所得の計算では、年間の給与総額から給与所得控除額を差し引きます。給与所得控除は、給与額に応じて決まっており、概ね以下の通りです。
- 給与等の収入が65万円までの場合:控除額は収入金額と同額
- 給与等の収入が65万円を超える場合:控除額は収入金額の25%相当(上限あり)
例えば、年間給与が600万円の場合、給与所得控除額は約100万円となり、所得は約500万円として計算されます。
事業所得の計算では、年間の売上から経費を差し引いた額が所得になります。経費として認められるのは、仕入れ、賃料、水道光熱費、通信費、広告宣伝費など、事業に直接関連するものです。個人的な生活費は除外されます。
事業所得の場合、所得の計算にあたっては確定申告書の内容に基づきます。年金事務所は前年度の確定申告書(あるいは申告予定額)を参考に所得を判定することが一般的です。
所得制限にカウントされない所得
障害年金の所得制限では、税法上の「所得」であっても除外されるものが複数あります。
障害年金や遺族年金などの公的年金は所得に含まれません。そのため、障害年金を受給しながら他の年金(遺族年金など)を受けていても、その額は所得判定に影響しない場合が多いです。
労災保険の給付金や雇用保険の失業給付は、一般的に所得に含まれないと解釈されています。ただし、条文上は明確でない部分があるため、金額が大きい場合は年金事務所に事前相談することが望ましいです。
生活保護の給付金は当然ながら所得に含まれません。
相続財産や贈与金は通常、所得制限の計算に含まれません。
損害賠償金や見舞金等も、税法上所得でないものは障害年金の所得制限でも対象外です。
非課税収入(障害者控除など)の扱い
障害年金の所得計算では、税法上の各種控除を適用することができます。特に重要なのが障害者控除です。
受給者本人が障害者手帳の交付を受けている場合、または所得税法で定める障害者に該当する場合、27万円の障害者控除を受けることができます。さらに、特別障害者に該当する場合は40万円の控除です。
扶養親族が障害者である場合も、その扶養親族ごとに同様の控除を受けることができます。配偶者が障害者手帳の交付を受けていれば、配偶者分の控除が適用される仕組みです。
また、医療費控除も適用可能です。本人や家族の医療費が年間10万円を超える場合、その超過額(最大200万円まで)を所得から控除できます。障害に関連する医療費(通院、リハビリテーション、医薬品購入など)が多い場合、医療費控除を活用することで所得を大幅に減額できる可能性があります。
詳しくは障害年金の受給額計算方法をご覧ください。
扶養控除の適用方法
配偶者控除や扶養親族控除も、障害年金の所得計算で適用される場合があります。
配偶者の所得が38万円以下である場合、配偶者控除38万円が受給者の所得から控除されます。ただし、配偶者自身の給与所得がある場合、その給与所得控除後の額が基準になります。
扶養親族(子ども含む)について、その親族の所得が38万円以下である場合、親族1人につき38万円の扶養親族控除を受けることができます。
これらの控除は、税務申告の際に所得税減額として使用するのと同じものです。そのため、毎年の確定申告や年末調整で適切に申告していれば、その内容が障害年金の所得計算にも反映されることになります。
所得制限による支給停止の仕組み
所得額を確認する
前年度(1月1日~12月31日)の実績所得を計算します。給与、事業所得など全ての所得を合算してください。
各種控除を適用する
基礎控除38万円に加えて、医療費控除、障害者控除、配偶者控除などの対象控除を適用します。
控除後の所得と基準額を比較
控除後の所得が370万円以下なら全額支給。370万円超472万円以下なら一部支給停止。472万円超なら全額支給停止となります。
支給停止額を計算する(一部停止の場合)
(所得-370万円)÷2の計算式で停止額を算出します。その額が支給されなくなります。
全額支給停止になる所得額
20歳前傷病による障害年金の場合、所得が472万円を超えると全額支給停止になります。この「全額支給停止」とは、基本年金額の全額が支給されなくなる状態です。扶養親族加算があっても、その全てが停止されます。
ただし重要な点として、全額支給停止期間中も年金受給権そのものは失われていません。支給が停止されているだけで、所得が基準以下に低下すれば、翌年度から支給が再開される仕組みです。
全額支給停止に該当するかどうかは、前年度(1月1日から12月31日)の所得を基準に判定されます。その判定結果は翌年度の4月以降に通知されることが一般的です。
一部支給停止(減額)になる所得額
所得が370万円を超え472万円以下の場合、一部支給停止となります。この場合、年金額全体の2分の1程度が支給停止され、残りの約2分の1が支給されます。
一部支給停止の正確な計算式は、以下の通りです:
停止額 = (所得 - 370万円)÷ 2
例えば、所得が400万円の場合:
- 超過額:400万円 - 370万円 = 30万円
- 停止額:30万円 ÷ 2 = 15万円
この場合、年金の受給者負担分相当額が支給停止され、残額が支給されるという計算になります。
一部支給停止の判定でも、各種控除(医療費控除、障害者控除など)が適用されるため、実際の所得を減額することで支給停止を回避できる可能性があります。
支給停止期間の決定方法
支給停止の期間は、原則として判定対象年度の1年間です。つまり、2024年1月から12月の所得で判定された場合、2025年度(2025年4月から2026年3月)が支給停止対象期間になります。
ただし、所得が翌年に低下した場合、その翌年度から支給が再開されます。支給停止は自動的には解除されず、所得が低下した際には支給再開申請を行う必要があります。
支給停止中に新たに加算対象者(配偶者や子ども)が増えた場合、その加算対象者にかかる加算部分については支給される可能性があります。
支給停止中の扶養親族の加算について
支給停止中でも、扶養親族加算の扱いは複雑です。
受給者本人の所得が基準を超えて全額支給停止になった場合でも、扶養親族本人の所得が基準以下であれば、その扶養親族に対する加算部分のみが支給される場合があります。
例えば、20歳前傷病で配偶者加算がある受給者について:
- 受給者本人の所得が472万円を超えて全額支給停止 → 基本年金は支給されない
- 配偶者の所得が232万円以下 → 配偶者加算部分は支給される可能性がある
ただし、配偶者本人の所得が基準を超えている場合は、配偶者加算も支給停止されるため、加算は支給されません。
このように、本人と扶養親族の所得は別々に判定される仕組みになっており、複数の加算がある場合はそれぞれに対して個別の判定が行われます。
所得制限の判定基準と計算例
基準額を超えた場合の計算式
20歳前傷病による障害年金の場合、判定基準額は以下の通りです:
一部支給停止ライン:370万円 全額支給停止ライン:472万円
これらの額は、各種控除を適用した後の「所得」で判定されます。
一部支給停止となる場合の計算は:
支給停止額 = (所得 - 370万円)÷ 2
全額支給停止の場合は、この計算に関わらず全額が支給停止になります。
実際の計算では、多くの場合において各種控除(障害者控除、配偶者控除、扶養親族控除、医療費控除など)を適用した後の所得で判定されるため、実務上は複数の控除を活用することで支給停止を回避できる可能性があります。
給与所得者の具体的な計算例
【事例1】単身の給与所得者の場合
年間給与600万円の場合:
- 給与所得控除:100万円程度
- 基礎控除:38万円
- 障害者控除(本人が障害者手帳を有する場合):27万円
- 計算:600万円 - 100万円 - 38万円 - 27万円 = 435万円
この場合、所得が435万円となり、370万円を超えているため一部支給停止の対象になります。支給停止額は(435万円 - 370万円)÷ 2 = 32.5万円となります。
【事例2】配偶者がいる給与所得者の場合
年間給与500万円、配偶者は専業主婦の場合:
- 給与所得控除:約90万円
- 基礎控除:38万円
- 配偶者控除:38万円
- 障害者控除:27万円
- 計算:500万円 - 90万円 - 38万円 - 38万円 - 27万円 = 307万円
この場合、所得は307万円となり、370万円の一部支給停止ラインを下回るため、所得制限の対象にならず、全額支給が続きます。
【事例3】医療費が多い給与所得者の場合
年間給与450万円、医療費が年間150万円かかった場合:
- 給与所得控除:約75万円
- 基礎控除:38万円
- 医療費控除:150万円 - 10万円 = 140万円
- 障害者控除:27万円
- 計算:450万円 - 75万円 - 38万円 - 140万円 - 27万円 = 170万円
この場合、所得が170万円となり、370万円のラインを大きく下回るため、所得制限の影響を受けずに全額支給が継続されます。
自営業者の具体的な計算例
【事例4】自営業者の場合
年間売上1,000万円、必要経費が400万円の自営業者の場合:
- 事業所得:1,000万円 - 400万円 = 600万円
- 基礎控除:38万円
- 障害者控除:27万円
- 計算:600万円 - 38万円 - 27万円 = 535万円
この場合、所得が535万円となり、全額支給停止ラインの472万円を超えているため、全額支給停止になります。
【事例5】売上減少の自営業者の場合
同じ自営業者で翌年、売上が600万円、経費が350万円に減少した場合:
- 事業所得:600万円 - 350万円 = 250万円
- 基礎控除:38万円
- 障害者控除:27万円
- 計算:250万円 - 38万円 - 27万円 = 185万円
この場合、所得は185万円となり、支給停止基準を下回るため、翌年度から支給が再開される対象になります。
複数の収入源がある場合の合算方法
複数の収入源がある場合、それぞれの所得を計算した上で合算します。
【事例6】給与と事業所得の両方がある場合
給与450万円+事業所得150万円がある場合:
- 給与所得控除:約75万円 → 給与所得375万円
- 事業所得:150万円
- 合計所得:375万円 + 150万円 = 525万円
- 各種控除(基礎控除38万円、障害者控除27万円)を適用
- 計算:525万円 - 38万円 - 27万円 = 460万円
この場合、460万円となり一部支給停止ラインを超えていますが、全額支給停止ラインまでは至っていません。支給停止額は(460万円 - 370万円)÷ 2 = 45万円となります。
複数の所得がある場合でも、各種控除は合計所得から一括で差し引かれる仕組みです。そのため、事業所得の経費を正確に計上することが非常に重要になります。
就労開始後の所得制限への注意点
就労支援と所得制限の両立について
就労開始を目指される方が最も懸念されるのは「働くと障害年金がなくなるのではないか」という点です。しかし、適切な計画と理解があれば、就労と障害年金受給を両立させることは十分可能とされています。
就労を開始する際の基本的な考え方は:
- 段階的に就労時間を増やすことで、所得を段階的に上昇させる
- 各種控除を最大限活用することで、実質所得を低く保つ
- 支給停止額を正確に見積もることで、事前に影響を把握する
障害者就労支援機関(ハローワーク、障害者職業訓練校、就労継続支援事業所など)では、このような就労開始に伴う所得制限への対応についても相談できます。実際に就労開始を予定している場合は、就労支援機関と年金事務所の両機関に事前相談することが望ましいです。
詳しい支援制度については病歴就労状況等申立書の書き方もご参考ください。
段階的な就労による支給停止の回避方法
支給停止を避けるための有効な方法が、段階的な就労開始です。
例えば、20歳前傷病で現在全額支給を受けている方が就労を開始する場合、以下のようなステップを考えることができます:
年間所得370万円までは一部支給停止の対象外となります。控除等を加味すると、年間給与で約450万円程度まで働く余地があります。
段階的就労の具体例:
- 1年目:月給15万円(年間180万円)の非常勤勤務 → 所得制限対象外
- 2年目:月給20万円(年間240万円)への昇給 → 所得制限対象外
- 3年目:月給25万円(年間300万円)への昇給 → 所得制限対象外
- 4年目以降:月給30万円等への昇給検討 → 必要に応じて支給停止対応
このように段階的に就労を拡大することで、障害の状態を安定させながら就労環境を整えることができます。
給与の実績額と見込み額の違い
所得制限の判定は「前年度の実績所得」を基準に行われることが重要です。
例えば、2024年1月に就職した場合、その初年度(2024年1月〜12月)の所得が2025年度の所得制限判定に影響します。ただし、翌年(2025年)の見込み給与がどうであれ、それは2025年度の判定には影響しません。2025年度の判定は2025年1月〜12月の実績で行われるためです。
年金事務所に「今後給与が増えるが、今年の実績はいくらになるか」という相談を受ける場合があります。その場合、重要なのは「確定した実績」であり、「見込み額」ではないという点です。
新規就職時に「年間見込み給与がいくらになるか」という質問を受けることがありますが、その見込み額は所得制限の判定そのものには直接影響しません。あくまで参考情報として扱われることが一般的です。
ただし、後述の「給与の見込み額報告」が必要になる場合もあるため、正確な見込み額を年金事務所に報告することは重要です。
在宅勤務やパート勤務の所得計算
新しい就労形態である在宅勤務やパート勤務でも、所得計算の基本原則は変わりません。
在宅勤務の場合:通常の給与所得として扱われます。給与額に対して給与所得控除が適用されるため、実務上は通常の給与と同じ計算になります。自宅の一部を事業所として使用した場合でも、給与として支払われれば給与所得です。
パート勤務の場合:短時間、短期間の勤務でも給与所得に変わりなく、給与所得控除が適用されます。複数の企業からパート給与を受ける場合は、それらを合算した上で給与所得控除を適用します。
フリーランスや業務委託の場合:給与ではなく報酬として支払われる場合、事業所得または雑所得として扱われ、経費の控除が可能です。
※本記事は情報提供を目的としており、個別の事情により異なる場合があります。詳細は専門家にご相談ください。
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