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身体障害

聴覚障害の障害年金等級判定基準|1~3級認定基準と受給要件

17分で読める

この記事でわかること

  • 聴覚障害は障害年金の対象。初診日から1年6ヶ月経過が要件
  • 障害年金の等級は身体障害者手帳と異なる独自の判定基準で決定
  • 純音聴力検査の数値が等級判定で最重要。医学的根拠の整備が認定率を大きく左右
  • 検査環境や初診日の確認、医学的因果関係の立証が認定成否を決める
  • 身体障害者手帳2級でも障害年金は3級になる場合もあり、別途申請が必須

聴覚障害と障害年金の基礎知識

障害年金制度の概要

障害年金は、疾病や怪我によって一定程度の障害の状態にある方が、現役世代のうちに受け取ることができる年金制度です。公的年金に加入している方であれば、聴覚障害を含む様々な障害を理由として申請することができます。

障害年金の支給対象となるためには、厚生労働省が定める「障害認定基準」を満たしていることが重要です。この基準は身体障害者手帳の等級とは異なり、年金制度独自の判定方法が用いられています。令和6年現在、障害年金は年間で約210万件の新規請求がされており、その中で聴覚障害による申請も一定の割合を占めています。

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。障害基礎年金は国民年金加入者が対象で、障害厚生年金は厚生年金加入者が対象です。どちらに該当するかは、初診日時点での加入年金制度によって決まります。

聴覚障害が障害年金の対象になる条件

聴覚障害が障害年金の対象として認められるには、いくつかの条件を満たす必要があります。まず最も重要なのは「初診日から1年6ヶ月経過していること」または「初診日から1年6ヶ月以内に障害状態が固定していること」です。

聴覚障害の場合、先天性のろう者であっても、障害年金を受け取るには公的年金に加入している期間中に初診日を有することが要件となります。また、初診日が確認できる医学的証拠が存在することが必要です。医学的因果関係が認められない場合(例えば、単なる加齢による難聴)は、障害年金の対象外になる場合があります。

厚生労働省の「障害認定基準」では、聴覚障害について両耳の聴力レベルの合計値で判定することとされています。純音聴力検査による検査値が、指定された基準を満たしていることが求められています。

ポイント

聴覚障害で障害年金を申請する際は、医学的に聴力低下の原因が明確であることが重要です。加齢による難聴との区別が審査で注視されるため、初診日の特定と医学的根拠の整理が申請前に欠かせません。

障害年金と身体障害者手帳の違い

よく混同されがちですが、障害年金と身体障害者手帳は全く別の制度です。身体障害者手帳は都道府県の福祉事務所が発行する福祉制度で、聴覚障害の程度を2級から6級で判定します。一方、障害年金は厚生労働省年金局が管轄する年金制度で、1級から3級(障害基礎年金の場合)で判定されます。

身体障害者手帳2級に認定されても、障害年金が3級となる場合があります。その逆もあり得ます。例えば、身体障害者手帳では両耳の聴力レベルの平均値が使用されることもありますが、障害年金では異なる計算方法が用いられることがあります。

実務的には、身体障害者手帳の診断書と障害年金の診断書は異なる様式であり、医師が作成する内容や評価方法も異なります。身体障害者手帳を取得しているからといって、自動的に障害年金が認定されるわけではないため、別途申請が必要です。

詳しい身体障害の等級判定については、身体障害の障害年金等級判定基準をご参照ください。


聴覚障害における障害年金の等級制度

障害年金の等級評価方法

障害年金の等級判定では、医学的客観性を重視した評価方法が採用されています。聴覚障害の場合、純音聴力検査の結果が最も重要な判定資料となります。この検査は日本工業規格(JIS)に基づいて実施される必要があります。

障害年金で使用される等級は、障害基礎年金の場合1級と2級です(3級は障害厚生年金のみ)。各等級の判定基準は厚生労働省の「障害認定基準」で具体的に定められており、検査値による客観的な基準が存在します。

聴覚障害における等級評価の際には、両耳聴力レベルの合計値だけでなく、語音弁別能力や日常生活における支障の程度も考慮されることがあります。ただし、基本的には聴力検査の数値が最優先の判定要素となり、自覚症状だけでは認定されない特徴があります。

聴覚障害が等級判定される仕組み

聴覚障害の等級判定は、標準化された検査手順に基づいています。通常、以下のプロセスで進められます。

1

申請書類の受付

年金事務所が申請書類を受け付けます。この段階で基本的な書類の確認が行われます。

2

都道府県の障害認定診査医による審査

診断書と聴力検査結果が医学的に妥当であるか確認されます。診断書に記載された聴力検査値が基準を満たしているかが重点的に確認されます。

3

基準適合性の判定

検査値が認定基準に明確に該当するか、それともボーダーラインか、認定外かが判定されます。

4

追加検査又は医学再審査の指示(必要な場合)

ボーダーラインまたは自覚症状との乖離がある場合には、追加検査の指示や医学再審査が行われます。

5

等級認定決定

上記プロセスを経て、最終的な等級が決定され、申請者に通知されます。

日本年金機構のデータによれば、障害年金の認定率は全体で約65~70%程度とされていますが、聴覚障害の認定率は身体障害全体の中でも認定基準が比較的明確であるため、認定率が比較的高い傾向にあります。

等級認定に影響を与える要因

聴覚障害の等級認定に大きく影響する要因は以下の通りです。

検査の信頼性: 聴力検査は実施条件に大きく左右されます。防音室での実施、騒音環境での実施など、検査環境が結果に影響します。また、検査者の技術や被検者の協力度も結果に影響するため、複数回の検査実施が推奨されます。

初診日の確認: 初診日が認定されるかどうかで、加入していた年金制度が確定し、受給額や等級判定の対象が決まります。初診日が証明できない場合は、認定が困難になります。

医学的因果関係: 聴覚障害の原因が明確であることが重要です。音響外傷、突発性難聴、中耳炎の後遺症など、明確な医学的原因があることが認定を助けます。一方、加齢による難聴は障害年金の対象外とされる場合がほとんどです。

診断書の記載内容: 医師の診断書における検査値の正確な記載、日常生活への具体的な影響の記述が、等級判定に大きく影響します。記入ミスや不正確な記載は却下や低い等級判定につながるリスクがあります。


聴覚障害の障害年金等級別解説

1級(最重度の聴覚障害)の判定基準

障害年金1級の聴覚障害は、極めて限定的な基準で認定されます。厚生労働省の障害認定基準では、1級となるのは以下の基準を満たす場合とされています。

両耳の聴力レベルが100デシベル(dB)以上であること、または両耳の聴力が全く聞こえない状態(壊滅的聴力障害)

実務的には、両耳聴力レベルの合計が180dB以上である場合が1級として認定されるケースが多いとされています。この基準は世界的にも高い障害レベルの判定基準です。

1級に認定される典型的なケースは、先天性全ろう者(生まれつき両耳の聴覚が全くない状態)です。この場合、初診日が確認でき、公的年金加入中に診断が確定されていれば、1級として認定される可能性が高いとされています。

後天性で1級に到達することは極めて稀です。音響外傷や突発性難聴などで急激に聴力低下が生じた場合でも、両耳で100dB以上という基準を満たすケースは非常に限定的です。

2級(重度の聴覚障害)の判定基準

障害年金2級の聴覚障害は、以下の基準で認定されます。

両耳の聴力レベルが90デシベル以上100デシベル未満であること

または

両耳の聴力レベルが100dB以上である場合でも、1級の基準に該当しない場合

実務的には、両耳聴力レベルの合計が160dB以上180dB未満の場合が多くこの等級に認定されるとされています。

2級に認定されるケースとしては、中等度以上の両側難聴を有する方が多くを占めます。例えば、突発性難聴で両耳が高度難聴状態に陥った場合や、音響外傷で両耳が著しく悪化した場合などが該当します。

障害年金の2級は「日常生活が著しく制限される状態」と定義されており、補聴器を装着しても日常会話が困難である程度の聴力低下が想定されています。

3級(中程度の聴覚障害)の判定基準

障害年金3級は障害厚生年金のみに設定されており、以下の基準で認定されます。

両耳の聴力レベルが70デシベル以上90デシベル未満であること

実務的には、両耳聴力レベルの合計が140dB以上160dB未満の場合が多くこの等級に認定されるとされています。

3級に認定されるケースは、補聴器の装着である程度日常生活が改善される程度の難聴です。就業継続が可能な場合が多いとされていますが、職業によっては支障が出る可能性があります。

3級認定される典型例として、音響外傷による両側難聴や、感音性難聴が進行してこの程度に達した場合などが挙げられます。国民年金加入者の場合は3級がないため、2級か認定なしかのいずれかになります。

障害認定基準に記載されない等級外の可能性

厚生労働省の障害認定基準に定められた聴力レベルに達しない場合は、残念ながら等級外(不支給)と判定される可能性が高いとされています。

例えば、両耳聴力レベルの合計が140dB未満(国民年金加入者の場合)や160dB未満(厚生年金加入者の場合)の軽度難聴は、客観的な検査値では基準に達しないため、認定が難しいとされています。

ただし、同じ聴力レベルでも、認定される場合と認定されない場合が存在することもあります。これは医学的因果関係の有無、初診日の確認可否、診断書記載内容の充実度など、複合的な要因が判断に影響するためです。等級外と判定された場合でも、異議申し立てを通じて再審査を求めることは可能です。


聴力検査と聴覚障害の等級判定

聴力検査の種類と必要な検査内容

障害年金の申請に当たっては、複数種類の聴力検査を実施することが推奨されます。以下が主要な検査項目です。

純音聴力検査(オージオメトリー): これは最も重要な検査で、0.125kHz~8kHzの周波数帯で、各周波数における聴取閾値(聞き取れる最小音量)を測定します。JIS規格に準拠した防音室で実施される必要があります。

語音聴力検査(ディスクリミネーション検査): 音声言語の聞き取り能力を測定する検査です。純音聴力検査では問題なくても、言葉の区別が困難な場合があるため、補足的な情報として有用です。

ティンパノメトリー: 中耳機能を調べる検査で、感音性難聴と伝音性難聴の鑑別に用いられます。

耳音響放射(OAE): 主に新生児聴覚検査で用いられますが、先天性聴覚障害の判定にも活用されます。

障害年金申請の診断書では、純音聴力検査の結果が最重要であり、検査値が正確に診断書に記載されていることが不可欠な条件となります。

純音聴力検査と障害年金等級の関係

純音聴力検査の結果は、両耳聴力レベルの計算式に基づいて障害年金等級が判定されます。この計算式は厚生労働省の障害認定基準で明確に定められています。

検査時に周波数別(500Hz、1000Hz、2000Hz、3000Hz、4000Hz、6000Hz、8000Hzなど)に聴閾値が測定され、これらの値に基づいて「両耳聴力レベル」という単一の数値が算出されます。この数値によって等級判定が直接決まることになります。

聴力検査では、被検者の協力が非常に重要です。疲労状態、薬物の影響、精神的な不安定さがあると、検査結果の信頼性が低下します。そのため、複数回の検査実施が推奨され、一貫性のある結果が得られることが認定を助ける傾向にあります。

検査環境も重要で、背景騒音が少ない防音室での実施が必要です。野外や騒音環境での検査は、聴力を過度に低く評価する可能性があり、障害年金審査では信頼性が低いと判断されるリスクがあります。

語音弁別能力検査が等級判定に与える影響

語音弁別能力検査(語音明瞭度検査)は、純音聴力検査を補足する検査として機能します。

例えば、純音聴力検査では両耳が70dB程度の難聴であっても、語音弁別能力が著しく低い場合(30%以下など)は、実際の日常生活での聞き取り困難が極めて大きいと考えられます。こうした場合、単純な聴力レベルの計算だけでなく、総合的な評価が行われることがあります。

逆に、純音聴力検査で高度難聴を示していても、語音弁別能力が比較的保持されている場合は、補聴器による改善が見込まれると判断されるリスクがあります。

厚生労働省の障害認定基準では、基本的に両耳聴力レベルの計算値を優先としていますが、判定が難しい事例では、この補足検査が医学再審査の根拠となることがあります。

両耳聴力レベルの計算方法

両耳聴力レベルの計算は、以下の標準式により行われます。

両耳聴力レベル = (a+b) / 2

ここで、aは良い方の耳の聴力レベル、bは悪い方の耳の聴力レベルです。

具体的な計算例として、右耳70dB、左耳100dBの場合:

(70+100) / 2 = 85dB

となり、この場合は両耳聴力レベルが85dBと計算されます。

ただし、実務的には各周波数の聴閾値を先に平均化した後、最終的な両耳聴力レベルを算出するプロセスが取られることもあります。そのため、診断書に記載される数値の算出方法を確認することが重要です。

この計算式は比較的単純ですが、1dB単位での差が等級を決定する場合があるため、検査値の正確な測定と正確な診断書への記載が重要です。

検査結果の信頼性と等級認定への影響

年金事務所の審査では、提出された検査結果の信頼性を厳格に評価します。信頼性が低いと判定されると、認定に至らない場合があります。

信頼性を低下させる要因としては、以下が挙げられます。

検査実施条件の不備: 防音室以外での実施、検査者の資格不明、機器の検査証明なしなど

一貫性の欠如: 複数回検査で結果に大きなばらつきがある場合

医学的矛盾: 聴力レベルと日常生活能力の乖離が著しい場合

既往歴との矛盾: 中耳炎の既往がないのに伝音性難聴を示す、など

複数の医療機関で検査を受け、一貫性のある結果が得られることが、信頼性を高める上で効果的です。同じ検査値が複数の医師から確認されれば、審査医の信頼度も増します。

診断書を作成する医師が検査に直接立ち会い、検査結果の信頼性について明記することも重要です。例えば「患者の協力が良好で、検査の信頼性は高い」という記載があれば、審査に好影響を与える可能性があります。


聴覚障害における受給額

等級別の障害基礎年金受給額(2024年度)

2024年度(令和6年度)の障害基礎年金受給額は以下の通りです。

1級:月額80,975円(年額971,700円)

2級:月額64,775円(年額777,300円)

これらの金額は、厚生労働大臣が毎年改定する基準額に基づいて計算されています。物価スライド制が導入されているため、毎年額が変動する可能性があります。

ただし、実際の受給額は上記の基本額とは異なることがあります。加算額(子の加算、配偶者加算)の有無、支給停止事由の有無、経過措置の適用など、複数の要因が影響するためです。

詳しい計算方法については障害年金の受給額計算方法について詳しく解説した記事をご覧ください。

障害厚生年金と障害基礎年金の違い

障害基礎年金: 国民年金加入者が対象で、1級か2級のいずれかで認定されます。自営業者、学生、フリーランスなどが対象です。

障害厚生年金: 厚生年金加入者が対象で、1級から3級まであります。会社員やパート・アルバイト労働者(厚生年金加入者)が対象です。

同じ等級でも、初診日時点での加入年金制度によって受給額が大きく異なります。例えば、初診日が厚生年金加入中であれば障害厚生年金(より高額)が対象となり、国民年金加入中であれば障害基礎年金が対象となります。

障害厚生年金の場合、さらに報酬比例部分が加算されるため、厚生年金の加入期間や給与額によって受給額が変動します。聴覚障害であっても、厚生年金加入者の方が受給額は多くなる傾向があります。

子の加算と配偶者加算について

障害年金には加算額が設定されています。

子の加算: 障害年金受給者に18歳以下の子(障害児の場合は20歳以下)がいる場合、1人目と2人目は月額1,007円、3人目以降は月額335円が加算されます。

配偶者加算: 1級または2級の受給者に配偶者がいる場合、月額21,825円が加算されます。

例えば、2級の受給者で配偶者がおり、子が2人いる場合、基本額64,775円に加算額を足した額が実際の受給額となります。

子の加算は受給権発生時に適用され、子が対象年齢を超えると自動的に加算が終了します。配偶者加算は配偶者の状況が変わった時点で見直しが必要です。

受給額に影響を与える条件

受給額に影響する主要な条件は以下の通りです。

等級: 1級と2級では月額16,200円の差があり、これは年額では194,400円の差となります。

初診日時点の加入年金制度: 厚生年金加入中であれば、報酬比例部分が加算されます。

障害状態の変化: 定期的な再認定で等級が変更されれば、受給額も変わります。

支給停止要件: 障害年金と給与所得の合計が一定額を超える場合、支給停止される場合があります。

社会保険の他の給付との併給制限: 労災保険の給付や遺族年金との併給制限があります。

聴覚障害で障害年金を受給する場合、補聴器購入などにより日常生活の質は向上しますが、これは支給停止の原因とはならないとされています。ただし、医学的に等級が低下すると判定された場合は、再認定時に等級変更が行われる可能性があります。


聴覚障害で障害年金の等級認定されやすいケース

先天性聴覚障害(ろう者)の等級判定

先天性聴覚障害(生まれつきろう者)は、障害年金の等級認定されやすいカテゴリーの一つです。その理由は、医学的な障害の存在が明確で、検査値も安定していることが多いためです。

ただし、障害年金を受給するには「公的年金への加入中に初診日がある」という条件が不可欠です。先天性であっても、初診日が確認できなければ認定されません。実務的には、新生児聴覚検査の記録や、幼少期の医学的診断が初診日の証拠として使用されます。

先天性全ろう者で1級に認定されるケースが多いとされており、平均的な認定率は80%を超えるという統計もあります。この場合、補聴器の効果についても考慮されますが、効果がほとんどない場合は等級判定に影響しません。

一方、先天性難聴であっても補聴器で改善される程度の場合は、2級や3級となる可能性があります。また、先天性の軽度難聴の場合は、検査値が基準に達せず等級外となることもあります。

後天性聴覚障害の等級判定ポイント

後天性聴覚障害(後天的に聴力を失った場合)は、先天性よりも等級認定が厳格になる傾向があります。その理由は、初診日の確認や医学的因果関係の立証がより困難になるためです。

後天性聴覚障害で等級認定されやすいケースは、以下の特徴を持っています。

明確な発症日がある: 突発性難聴や音響外傷など、いつから聴力が低下したかが明確な場合

医学的原因が特定できる: 中耳炎の後遺症、頭部外傷による聴覚神経損傷、など具体的な原因がある場合

初診日が医学的に立証可能: 発症当初の医学的診断記録が存在する場合

急激な聴力低下: 数日から数週間で聴力が著しく低下した場合、医学的因果関係が認められやすい

一般的に、後天性聴覚障害は先天性より認定基準が厳しいとされており、同程度の聴力レベルでも、後天性は認定されず、先天性は認定されるケースがあり得ます。

音響外傷による聴覚障害

音響外傷は、大きな音への暴露によって急激に聴力が低下する障害です。障害年金の認定では、比較的認定されやすいカテゴリーに該当します。

典型的には、爆発音、銃声、大型音響機械への暴露などが原因となります。音響外傷の特徴は、暴露時期が明確であり、暴露から短期間での聴力低下が確認される点です。これにより初診日の確認が比較的容易になります。

音響外傷による聴覚障害で認定されやすい理由:

  • 医学的因果関係が明確: 音響暴露と聴力低下の因果関係が医学的に認められやすい
  • 検査値の信頼性が高い: 急激な変化のため、複数回の検査で一貫性が見られることが多い
  • 初診日の証拠が取得しやすい: 事故や労災報告など、客観的な日付記録がある場合が多い

ただし、職業的な慢性的音響暴露による難聴(騒音性難聴)は、医学的因果関係の立証が困難で、認定されにくいカテゴリーです。

騒音性難聴と障害年金

騒音性難聴は、長期間の騒音環境への暴露により段階的に生じる難聴です。工場労働者、建設作業員、音楽家などが罹患することがあります。

騒音性難聴が障害年金の対象として認定されにくい理由:

因果関係の立証が困難: いつからの暴露が原因かが不明確で、複合的な要因(加齢、個人体質など)の影響を分離しにくい

初診日の確認が難しい: 症状が緩やかに進行するため、「いつから障害年金の対象となる聴覚障害に該当するか」の判定が困難

加齢による難聴との区別: 騒音性難聴は加齢による聴力低下と似た症状を示すため、医学的原因の特定が困難

ただし、労災認定を受けている騒音性難聴の場合は、医学的因果関係が明確であるため、障害年金の認定に有利な場合があります。申請時には労災認定の記録が重要な証拠となります。

必要な書類については、障害年金申請に必要な書類一覧で詳しく解説しています。また、病歴就労状況等申立書の作成に際しては、病歴就労状況等申立書の書き方もご参照ください。


まとめ

聴覚障害の障害年金等級判定は、医学的客観性に基づいた純音聴力検査の結果が最も重要な要素となります。身体障害者手帳とは異なる判定基準が適用されるため、別途申請が必要です。

等級認定の成否を分けるポイントは、適切な検査環境での聴力測定、初診日の確認、医学的因果関係の立証です。先天性聴覚障害は比較的認定されやすく、音響外傷による後天性聴覚障害も認定の可能性が高いとされています。

一方、騒音性難聴や加齢による聴力低下は医学的因果関係の立証が困難なため、認定が難しい場合があります。申請に際しては、医学的根拠の整備と適切な書類準備が認定率向上に重要です。

※本記事は情報提供を目的としており、個別の事情により異なる場合があります。詳細は専門家にご相談ください。

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