メインコンテンツへスキップ
障害年金申請ナビ
受給額・等級

がんで障害年金を受け取れるのか|受給資格・認定基準・申請手続きを解説

16分で読める

この記事でわかること

  • がんは障害年金の重要な受給原因疾患で、受給者は約1万7,000人(令和3年度末)
  • 障害年金受給には初診日要件・保険料納付要件・障害認定日要件の3つをクリアする必要がある
  • がんによる手術後の機能障害(呼吸困難・嚥下障害など)が評価され、認定率は70~80%と比較的高い
  • 医学的客観性と診断書の質が認定判定の重要な要素

がんで障害年金は受け取れるのか

がんと診断されたときに、今後の生活資金について不安を感じるのは自然なことです。そこで気になるのが「障害年金を受け取ることができるのか」という質問です。結論から申し上げると、がんであっても一定の要件を満たせば障害年金を受給することが可能です。

厚生労働省の統計によると、障害年金の受給者は約215万人(令和3年度末)であり、そのうち悪性新生物(がん)による受給者は約1万7,000人とされています。つまり、がんは障害年金の重要な受給原因疾患の一つなのです。

ただし、がんと診断されたからといって自動的に受給資格が生じるわけではありません。複数の要件をクリアする必要があります。申請手続きの全体像は障害年金の申請の流れで確認できます。本記事では、がん患者が障害年金を受け取るための条件、申請方法、認定基準について詳しく解説します。

がんが障害年金の対象になる理由

がんが障害年金の対象となるのは、がんの治療に伴って生じる様々な身体的・機能的障害を厚生労働省が認識しているためです。

具体的には、以下のようながんの後遺症が障害年金の対象となります:

  • 呼吸機能の低下:肺がんや食道がんの手術後に呼吸困難が生じる場合
  • 嚥下機能の障害:頭頸部がんや食道がん治療後に飲み込みが困難になる場合
  • 消化機能の障害:胃がんや膵臓がん治療後に栄養吸収が悪くなる場合
  • 運動機能の障害:骨がんや脊髄近くのがん治療で歩行が困難になる場合
  • 認知機能の障害:脳腫瘍治療後に記憶力や判断力が低下する場合
  • ホルモン分泌異常:内分泌腫瘍の治療により代謝が大きく変わる場合

これらの障害が日常生活や労働に支障をきたす程度に至った場合、障害年金の対象となります。重要なのは、がんそのものではなく、がんおよびその治療によって生じた「機能障害」が評価されるという点です。

がんで障害年金を受給している人の実例

実際の受給事例を見ることで、どのような状況で受給が認められるのかが理解しやすくなります。以下に実例を示します。

事例1:食道がんによる嚥下障害 50代男性が食道がんと診断され、手術と化学療法を受けました。治療後、食べ物を飲み込むことが困難になり、経管栄養に頼る状態となりました。医師の診断書に「完全流動食以外は摂取困難」と記載され、障害等級2級として認定されました。

事例2:肺がんによる呼吸機能低下 60代女性が肺がんと診断され、部分的な肺切除手術を受けました。手術後、日常的に呼吸困難を感じるようになり、階段の上り下りや外出時に息切れが顕著になりました。肺機能検査の結果と医師の診断書により、障害等級3級として認定されました。

事例3:膵臓がん術後の機能低下 40代男性が膵臓がんで手術を受け、血糖値のコントロール不全とタンパク質吸収障害が生じました。頻繁な入院が必要となり、就労が不可能な状態と判定され、障害等級2級として認定されました。

これらの事例から分かるのは、進行度や病期よりも「生活機能への具体的な支障」が認定の重要な判断要素となるということです。

がんで障害年金を受給している人の認定率

障害年金の認定率は、申請年度や疾病によって異なります。厚生労働省の発表によると、全体的な障害年金の認定率は約60~70%程度です。

がんに関しては、他の疾患と比較して比較的認定率が高い傾向にあります。これは、がんが明確な診断基準を持ち、医学的な客観性が高いためです。ただし、がんの種類や治療段階によって認定率には差があります。

  • 手術による明確な機能障害が生じているがん:認定率が70%を超える場合が多い
  • 化学療法のみで明確な機能障害がないがん:認定率が50%程度と低くなる傾向
  • 末期がんで複数の臓器障害を伴うもの:認定率が80%を超える場合が多い

認定率の違いは、「客観的な医学的証拠」がどれだけ揃っているかによって大きく左右されます。


がんの障害年金受給資格の基本要件

障害年金を受給するためには、三つの要件を満たす必要があります。これは、がん患者であっても他の疾患患者であっても変わりません。

1

初診日要件を確認

がんと診断された日が公的年金加入中であることを確認します。初診日とは、その傷病について初めて医師の診察を受けた日です。

がん診断日が初診日となることがほとんどです。診断されたときに加入していた年金制度が重要です。

2

保険料納付要件を確認

初診日の前日時点で、初診日までの全加入期間の2/3以上の保険料を納めているか、または直近1年間の保険料がすべて納付済みか確認します。

年金事務所またはねんきんネットで確認できます。未納期間がある場合は事前相談をお勧めします。

3

障害認定日時点での状態を評価

障害認定日(初診日から1年6ヶ月経過した日)時点で、一定以上の機能障害があるかを確認します。

がんの場合は、治療完了後の状態が安定した時点での申請も可能な場合があります。

初診日要件とは

初診日要件は、障害年金受給の最も基本的かつ重要な要件です。「初診日」とは、その傷病について初めて医師の診察を受けた日のことです。

障害年金の受給要件では、この初診日が「公的年金加入中」であることが求められます。つまり、以下のいずれかの時期に初診日がある必要があります:

  1. 厚生年金加入中:会社員などが医師の診察を受けた場合
  2. 共済組合加入中:公務員などが医師の診察を受けた場合
  3. 国民年金加入中:自営業者などが医師の診察を受けた場合

重要な点として、初診日が「無加入期間」や「保険料未納期間」にあった場合は、原則として障害年金の受給資格がないとみなされます。

がんの場合、診断日が初診日となることがほとんどです。つまり、がんと診断されたときに加入していた年金制度に基づいて、障害年金の種類(厚生年金か基礎年金か)が決定されるのです。

保険料納付要件(保険料納付期間の確認方法)

保険料納付要件とは、初診日の前日時点で、一定期間以上の保険料を納めていることを示す要件です。

具体的には以下の条件のいずれかを満たす必要があります:

  1. 保険料納付済み期間が全加入期間の2/3以上 初診日の前日までの全加入期間のうち、2/3以上の期間で保険料を納めていること

  2. 直近1年間の保険料がすべて納付済み 初診日から遡った直近1年間(12ヶ月)について、保険料の未納がないこと

このいずれかを満たしていれば、保険料納付要件をクリアしたことになります。

保険料納付期間の確認方法:

厚生労働省では、加入者が自分の保険料納付状況を確認できるようにしています。以下の方法で確認が可能です:

  • 年金事務所での照会:年金事務所の窓口で直接照会可能(本人確認書類が必要)
  • ねんきんネット:マイナンバーを用いてオンラインで確認可能
  • 郵送による照会:年金機構に照会票を送付して確認可能

がん患者の場合、多くは現役で働いている時期に発症するため、保険料納付要件を満たしていることが多いです。しかし、自営業者や自由業の方で保険料に未納期間がある場合は注意が必要です。

ポイント

保険料納付要件に不安がある場合は、年金事務所で正確な確認をすることが重要です。自己判断で申請を見送るのではなく、専門家に相談することをお勧めします。

障害認定日の判定タイミング

障害年金の受給では、「障害認定日」という重要な日付があります。これは、障害の程度を判定する基準となる日付です。

障害認定日は、以下のように定義されます:

  • 初診日から1年6ヶ月経過した日:これを「障害認定日」として定めることが基本です

ただし、がんの場合は例外的な取り扱いがあります:

  • がんの場合の特例:がんと診断された日を初診日とし、その日から1年6ヶ月を待たずに、治療後の状態が安定した時点で申請することが可能な場合があります。これは、がんが他の疾患と異なる速度で進行する可能性を考慮した制度です。

具体的には、標準治療を終えた直後から、その後の状態が明らかに明瞭になるまでの間(通常3~6ヶ月)が申請の適切なタイミングとなります。

がんの場合の初診日の考え方

がんの初診日は、「がんと確定診断された日」ではなく、「初めてがんの症状で医師の診察を受けた日」です。この点で注意が必要です。

例えば、以下のようなケースが考えられます:

ケース1:症状から診断まで段階的な場合

  • 1月:咳が出て内科を受診(症状受診)
  • 3月:精密検査で肺がんと診断確定

この場合、初診日は1月となります。

ケース2:健康診断での発見

  • 10月:健康診断で異常指摘
  • 12月:精密検査でがんと確定診断

この場合、10月が初診日となります。

これらの日付を正確に把握することが、障害年金申請において非常に重要です。初診日が不明確な場合は、申請が大きく遅延したり、不認定となったりするリスクが高まります。初診日の特定方法や証拠書類の集め方については初診日の特定方法に関する解説を参照してください。


がんによる障害等級の認定基準

障害年金では、障害の程度を1級、2級、3級に分類しています。がん患者の場合、これらの等級がどのように適用されるのかを理解することが重要です。

障害等級1級の認定基準

障害等級1級は、最も重い障害が対象となります。がんの場合、以下のような状態が1級に該当する可能性があります:

認定基準の主な内容:

  • 両肺機能がともに著しく低下:VO2Max(最大酸素摂取量)が基準値の50%以下
  • 両側腎臓摘出後の状態:透析療法を継続する必要がある状態
  • 肝臓機能の著しい低下:肝硬変へ進行した状態
  • 完全栄養管理状態:経管栄養や中心静脈栄養に完全に依存する状態
  • 認知機能の著しい障害:脳腫瘍治療後、意思疎通ができない状態
  • ホルモン分泌異常:内分泌腫瘍の治療により代謝が大きく変わる場合

1級は、「労働能力がほぼ失われ、日常生活においても第三者の助けが必要」という程度を示しています。

がん患者で1級に認定されるケースは比較的少数です。厚生労働省の統計では、がんによる1級認定は全体の約10~15%程度にとどまります。

障害等級2級の認定基準

障害等級2級は、障害年金において最も認定件数が多い等級です。がんの場合、以下のような状態が2級に該当することが多いです:

認定基準の主な内容:

  • 肺機能の中等度低下:VO2Maxが基準値の50~70%の範囲
  • 片肺全摘出後の状態:呼吸機能が明らかに低下している場合
  • 食道がん術後の嚥下困難:経口摂取が著しく制限されている場合
  • 膵臓がん術後の内分泌・外分泌機能障害:複数の機能障害が並存している場合
  • 脳腫瘍術後の中等度認知機能低下:就労が困難な程度の低下
  • 広範な範囲の手術による複合的障害

2級は、「労働能力が著しく低下し、通常の就労が困難」という程度を示しています。

がん患者での2級認定は、全体の約40~50%程度となる傾向があります。

障害等級3級の認定基準

障害等級3級は、厚生年金加入者のみが対象となる等級です(国民年金加入者は対象外)。軽度から中程度の障害が対象となります。

認定基準の主な内容:

  • 肺機能の軽度低下:VO2Maxが基準値の70%以上80%未満
  • がん手術後の機能障害:歩行や日常動作に支障がある程度
  • 抗がん剤治療による神経障害:末梢神経障害により、握力や巧緻性が低下している場合
  • 放射線治療による後遺障害:皮膚障害や運動制限がある場合
  • ホルモン療法による代謝異常:日常生活に支障をきたす程度

3級は、「労働能力が低下し、特定の業務は困難」という程度を示しています。

がん患者での3級認定は、全体の約30~35%程度の割合です。

  • がんの種類と治療内容を把握している
  • 治療後の機能障害について具体的に説明できる
  • 検査数値や画像データが揃っている
  • 初診日がいつかを正確に知っている
  • 保険料納付状況を確認した

がんで認定されやすい部位別の傾向

がんの部位によって、障害年金の認定されやすさに差があります。

認定されやすいがん(機能障害が明確):

  1. 肺がん:肺切除による呼吸機能低下が客観的に測定可能
  2. 食道がん:嚥下機能障害が明白で、栄養摂取状況で判定しやすい
  3. 膵臓がん:内分泌・外分泌機能障害が検査値で客観化しやすい
  4. 脳腫瘍:認知機能検査により、障害程度が明確に判定できる
  5. 骨がん:運動機能障害が視覚的・検査的に明確

これらのがんは、治療後に残存する機能障害を客観的に測定・評価しやすいため、認定率が比較的高い傾向にあります。

認定されにくいがん(機能障害が不明確):

  1. 進行がんの一般的な状態悪化:全身衰弱という主観的な症状
  2. 抗がん剤治療による副作用のみ:明確な臓器障害を伴わない疲労感
  3. 早期がん手術後:機能障害がほとんどない状態

抗がん剤治療による認定可能性

抗がん剤治療それ自体による認定は、慎重に扱われます。ただし、以下のような客観的障害が生じている場合は、認定の対象となる可能性があります:

認定対象となる抗がん剤関連障害:

  • 末梢神経障害:化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)により、手指の細かい動きが困難になった場合。握力検査やピンセット試験で障害が立証できる場合
  • 心機能障害:アントラサイクリン系抗がん剤による心筋障害で、心臓超音波検査で左室駆出率の低下が確認できる場合
  • 腎機能障害:プラチナ系抗がん剤による腎障害で、クレアチニン値などの検査値で立証できる場合
  • 肺線維症:ブレオマイシンなどによる薬剤性肺線維症で、肺機能検査で低下が確認できる場合

これらの障害については、医学的な客観性が高いため、認定されやすい傾向にあります。


がんが障害年金の対象となる具体的なケース

実際のケースを通じて、どのような状況で認定されるのかを学ぶことは、申請を検討している方にとって大変有益です。

食道がんによる嚥下障害での受給

食道がんは、障害年金の認定率が比較的高いがんの一つです。これは、治療後に生じる嚥下(飲み込み)機能障害が、医学的に客観化しやすいためです。

認定される典型的な状態:

  • 食道全摘出手術後、噴門形成術や再建術を受けた場合
  • 術後、固形物が通らなくなり、流動食や経管栄養に依存している場合
  • 嚥下造影検査(VF検査)で誤嚥のリスクが高いと判定されている場合

実例として、55歳の男性が食道がんと診断され、医学的に有効な手術を受けたものの、その後つばを飲み込むだけでも痛みを感じるようになった場合があります。医師の診断書に「経口摂取は流動食限定」と記載され、かつ栄養指標(血清アルブミン値など)が低い場合、障害等級2級での認定が見込まれます。

嚥下障害が認定されないケース:

  • 手術から1年以上経過し、回復により通常食を食べられるようになった場合
  • 医学的治療により、嚥下機能が回復した場合
  • 検査上は異常がなく、患者の自覚症状のみの場合

肺がんによる呼吸機能低下での受給

肺がん治療後の呼吸機能低下は、肺機能検査(スパイロメトリー)で客観的に測定できるため、認定基準が相対的に明確です。

認定される典型的な状態:

  • 肺全摘出または広範な肺切除後、%VC(努力肺活量)が60%以下に低下している場合
  • FEV1(1秒間呼出量)が予測値の50%以下に低下している場合
  • 酸素飽和度が安静時に90%以下、または運動負荷時に大きく低下する場合
  • 日常的に酸素吸入が必要な状態

62歳女性の事例として、左肺全摘出術を受けた後、VO2Max(最大酸素摂取量)が基準値の60%に低下した場合があります。この場合、医師の検査数値が基準値を満たすため、障害等級3級または2級での認定が見込まれます。

呼吸機能障害が認定されないケース:

  • 部分的な肺切除(区域切除程度)で、肺機能検査の値が基準値の80%を超える場合
  • 化学療法・放射線療法のみで、肺機能検査に明らかな低下がない場合

膵臓がんによる腸閉塞・栄養障害での受給

膵臓がん治療後の認定は、複数の機能障害が認められることが多いため、比較的高い等級での認定が見込まれます。

認定される典型的な状態:

  • 膵全摘出または広範な膵切除後、以下の複合的障害が認められる場合:
    • インスリン依存性糖尿病:血糖コントロールが困難
    • 膵外分泌不全:栄養吸収が著しく低下
    • 腸閉塞傾向:定期的な入院治療を要する
  • 血清アルブミン値が3.0g/dL以下に低下し、栄養不良が明白な場合
  • 頻繁な入院が必要で、就労継続が困難と医師が認める場合

47歳男性の事例では、膵臓がん切除術後、インスリン療法が必要となり、さらに消化酵素補充療法を常用している場合、複数の機能障害が認定され、障害等級2級での認定が見込まれます。

骨がんによる運動障害での受給

骨がん(骨肉腫や軟骨肉腫など)の治療後は、患肢の切断や広範な骨盤切除などの手術を受けることが多いため、障害年金の認定率が高いです。

認定される典型的な状態:

  • 下肢切断後、義足使用で歩行が限定されている場合
  • 骨盤切除により、両下肢の機能が著しく障害されている場合
  • 上肢切断により、日常生活動作(ADL)が大きく制限されている場合
  • 関節可動域制限により、歩行能力が著しく低下している場合

これらの場合、身体障害の障害年金等級判定基準に基づいて、身体障害者手帳の等級と関連して障害年金の等級も決定されることが多いです。例えば、身体障害者手帳の等級1級または2級に相当する場合、障害年金も1級または2級での認定が見込まれます。

脳腫瘍による認知機能低下での受給

脳腫瘍治療後の認知機能低下は、画像検査や認知機能検査により客観化可能であり、障害年金の認定対象となります。

認定される典型的な状態:

  • 脳腫瘍切除後、脳画像検査で広範な脳実質の欠損が認められる場合
  • 認知機能検査(MMSE:ミニメンタルステート検査など)で、スコアが基準値から著しく低下している場合
  • 記憶障害、判断力低下、感情制御障害などが医学的に立証されている場合
  • 就労継続が困難と医師が認める程度の認知機能低下

51歳男性の事例では、脳腫瘍摘出手術後、MMSEスコアが20点以下に低下した場合、障害等級2級での認定が見込まれます。

がんの転移・再発による認定申請

がんの転移や再発の場合、障害年金申請における扱いが複雑になることがあります。

重要なポイント:

  1. 初診日の考え方 転移・再発の場合でも、障害年金の初診日は「最初のがん診断日」です。転移・再発日ではありません。

  2. 認定日の変更 転移・再発により新たな機能障害が生じた場合、最初の認定日から数年経過していても、新たに診断書を提出して認定日の変更を申請できる場合があります。

  3. 等級変更 最初に認定された等級から、転移・再発により状態が悪化した場合、より高い等級への変更を申請できます。

例えば、初回の肺がん手術後に障害等級3級で認定されていた患者が、数年後に脳転移により認知機能低下を発症した場合、等級変更を申請して2級への昇級が見込まれます。


がん患者が障害年金を受給できない場合

障害年金を受給するための要件を満たさない場合、受給は認められません。事前に確認することで、不要な申請を避けることができます。

がんの症状だけでは受給対象にならない理由

この点は極めて重要です。がんという疾病に罹患していることだけでは、障害年金を受給することはできません。受給の対象となるのは「がんに伴う機能障害」です。

受給対象にならないケース:

  1. 早期がんで根治手術を受け、その後の生活が支障なく営まれている場合 例:ステージ1の胃がんで幽門側胃切除を受けたが、その後通常食を摂取でき、日常生活や就労に支障がない場合

  2. がん診断直後で、まだ治療を受けていない場合 障害認定日までに治療を受けるか、治療後の状態が安定する必要があります。

  3. 治療中であるが、機能障害がまだ明らかでない場合 例:化学療法中で、毛髪脱落や軽度の倦怠感があるだけで、検査上や医学的に客観化できる障害がない場合

  4. がんが完治(寛解)し、その後再発していない場合 治療完了後、機能障害が残存していない場合は、障害年金の対象にはなりません。

障害認定日までに日常生活に支障が出ていない場合

障害年金の認定には、「障害認定日時点での機能障害の有無と程度」が極めて重要です。

障害認定日は、初診日から1年6ヶ月経過した日が基本ですが、この日付時点で以下の状況であれば、申請しても不認定となる可能性があります:

  1. 通常の就労が継続できている状態
  2. 日常生活動作(ADL)に支障がない状態
  3. 医学的検査で異常値が見られない状態
  4. 治療による機能障害が回復している状態

これらの条件は、がんが寛解・治癒した場合によく見られる状況です。

※本記事は情報提供を目的としており、個別の事情により異なる場合があります。詳細は専門家にご相談ください。

関連記事