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障害年金とは|制度の概要・種類・等級から受給要件まで完全解説

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この記事でわかること

  • 障害年金は疾病や障害で生活に支障が出た方に支給される公的年金制度
  • 障害基礎年金(1~2級)と障害厚生年金(1~3級)の2種類がある
  • 医学的要件と保険料納付要件など複数の受給条件を満たす必要がある
  • 令和6年度は1級年間993,750円、2級年間795,000円、3級年間585,100円
  • 障害手帳や障害福祉サービスとは異なる独立した社会保障制度

障害年金とは:制度概要をわかりやすく解説

障害年金とは:基本的な定義

障害年金の目的と役割

障害年金は、疾病や障害により生活や仕事に支障が生じた方に対して、生活を支えるために支給される公的年金制度です。日本の社会保障制度の重要な柱として、昭和44年に制度が創設されて以来、多くの方々の生活の安定を支えてきました。

障害年金の最大の目的は、働くことが困難になった方が、生活の基盤を失わないようにするためです。疾病や事故によって生活能力が低下した場合、経済的な不安がさらに治療や回復の妨げになることを防ぐために、この制度が設計されています。厚生労働省の統計によると、令和4年度末時点で約196万人が障害年金を受給しており、これは日本の公的年金受給者全体の約5%に相当する重要な給付です。

障害年金が支給される背景にある社会保障制度

障害年金は、日本の社会保障制度の中で「社会保険」という枠組みに位置付けられています。社会保険とは、保険料を納めることで、病気や事故などの不測の事態に備える制度です。障害年金も同じく、加入者が保険料を納めることで、万が一障害状態に陥った場合に給付を受ける仕組みとなっています。

この制度の背景には、「国民誰もが予期しない障害に直面する可能性がある」という社会的認識があります。障害は先天的なものだけでなく、交通事故、脳梗塞、うつ病など、誰もが経験する可能性のある出来事から生じます。そのため、全国民が加入する公的年金制度の一環として、障害年金は設計されているのです。

障害年金と他の社会保障給付との違い

障害年金は、同じ障害関連の給付である「障害手帳」や「障害福祉サービス」、さらには「生活保護」などと混同されることがあります。しかし、これらは異なる制度です。

障害年金は「保険給付」であり、加入者が保険料を納めていることが条件となります。一方、障害福祉サービスは「福祉サービス」であり、障害の程度に応じて提供される支援的なサービスです。また、生活保護は「資産や所得が一定水準以下の世帯」を対象とした支援であり、障害年金とは無関係に受給することもできます。

  • 障害年金は保険給付として、保険料納付が前提となります
  • 障害手帳は障害の状態を示す証明書的な役割です
  • 障害福祉サービスは日常生活や就労を支援するサービスです
  • 生活保護は経済状況に基づく生活支援制度です

障害者手帳との関係について説明すると、障害手帳は障害の客観的な状態を示す身分証明的な側面を持つのに対し、障害年金は定期的に支給される金銭給付です。同じ障害の状況であっても、手帳の有無と年金受給の可否は一致しない場合が多いです。


障害年金の種類と等級制度

障害基礎年金(1級・2級)の概要

障害基礎年金は、国民年金に加入していた方、または加入期間中に初診日がある方を対象とした障害年金です。自営業者、フリーランス、学生時代に加入していた方などが対象となる場合が多いです。

障害基礎年金は1級と2級の2段階に分かれており、令和6年度の支給額は以下の通りです:

  • 1級:年間993,750円(月額約82,813円)
  • 2級:年間795,000円(月額約66,250円)

1級と2級の区分は、生活面での援助の必要性に基づいて判断されます。1級は「日常生活を営むことが困難な状態」であり、食事や排泄などの基本的な生活に他人の援助が常に必要な状態を指します。2級は「就労が困難である状態」として、日常生活は自分でできるが、社会的な活動に著しい制限がある状態を示します。

障害厚生年金(1級・2級・3級)の概要

障害厚生年金は、厚生年金に加入していた方を対象とした障害年金です。サラリーマンやOL、公務員などが対象となります。障害厚生年金の特徴は、基礎年金に加えて「報酬比例部分」という被保険者が納めた保険料に応じた追加給付が含まれることです。

1

基礎年金部分を確認

1級:年間993,750円、2級:年間795,000円

2

報酬比例部分を計算

給与額と加入期間に応じて月額3〜15万円程度

3

配偶者加算を確認

配偶者がいる場合は年間224,700円を加算

障害厚生年金は1級から3級まで3段階に分かれており、令和6年度の支給額例(標準的な加入期間を想定)は以下の通りです:

  • 1級:基礎年金(993,750円)+ 報酬比例部分(およそ月額5〜15万円)
  • 2級:基礎年金(795,000円)+ 報酬比例部分(およそ月額3〜10万円)
  • 3級:報酬比例部分のみ(年間585,100円、月額約48,758円)

実際の支給額は、加入期間や給与額によって大きく異なります。障害年金の受給額計算方法|2024年度金額と計算式を解説で詳しい計算方法をご確認いただけます。

障害手当金(厚生年金加入者のみ)とは

障害手当金は、厚生年金加入中に障害状態になった場合に、一度だけ支給される一時金です。障害基礎年金や障害厚生年金とは異なり、毎年支給される年金ではなく、「給付金」という性質を持ちます。

令和6年度の障害手当金は、初回支給時に1,189,500円(令和6年度価格)が一括で支給されます。その後、症状が悪化した場合には追加の請求も可能ですが、同じ傷病による再申請はできない規則となっています。

障害手当金の対象となるのは、労働能力の喪失が認定された場合です。たとえば、交通事故による骨折の後遺症で片腕を失った、あるいは糖尿病の合併症で視力が著しく低下したなど、回復の見込みが低い障害が対象となる場合があります。

各等級の判定基準と生活への影響

等級の判定は、医学的な障害の程度と、その障害が日常生活や就労にもたらす影響の両面から評価されます。

1級の判定基準は、医学的には両眼の視力が0.04以下である、両耳の聴力が100デシベル以上であるなど、極めて重度の障害です。日常生活面では、常に他人の助けが必要な状態です。このため、1級受給者の場合、子どもがいる場合には「加算額」という追加給付が受けられるメリットがあります。

2級の判定基準は、医学的には両眼の視力が0.07以下である、両耳の聴力が90デシベル以上であるなど、重度の障害です。日常生活への支障は大きいものの、基本的な生活行為は自分で行える状態とされています。

3級の判定基準(厚生年金のみ)は、「労働能力が極度に制限される障害」です。たとえば、片腕を喪失した、片脚を喪失した、あるいは一定の内部障害により労働が極度に制限されるなどの状態が該当します。

これらの判定基準により、受給開始後の社会生活の見通しが大きく変わります。等級が高いほど支給額も増え、配偶者や子どもへの加算も受けやすくなります。


障害年金の受給要件(支給対象者)

医学的要件:どのような状態が対象か

障害年金を受給するためには、「障害認定基準」と呼ばれる医学的な基準を満たすことが重要です。この基準は、厚生労働大臣が定めた統一的な基準であり、全国の年金事務所で同じ基準が適用されています。

医学的要件には、以下の2つの側面があります:

1. 初診日から1年6ヶ月以上経過していること(認定対象期間) 多くの疾病は、初診日から1年6ヶ月以上経過した日を「障害認定日」とします。この期間は治療や経過観察に充てられ、その時点での医学的状態が安定したものかどうかを判断するための期間です。ただし、人工透析療法を受けている場合、人工肛門造設後、切断後など、特定の状態に該当する場合には、初診日から3ヶ月以上で申請できる「特例」があります。

2. 国が定めた障害認定基準に該当していること 疾病別に細かな認定基準が定められており、たとえば精神疾患の場合には「現在の精神機能の状態」「社会的な活動能力」「日常生活能力」が総合的に評価されます。神経疾患の場合には、脳波検査やMRI検査など、客観的な検査結果も重視される場合があります。

保険料納付要件の詳細

障害年金を受給するためには、保険料納付要件を満たしていることが前提となります。国民年金加入者と厚生年金加入者で要件が若干異なります。

国民年金加入者の場合 初診日の前々月までの保険加入期間のうち、3分の2以上の期間において保険料を納めていることが原則です。たとえば、初診日が36ヶ月前である場合、少なくとも24ヶ月以上の保険料納付が必要な場合が多いです。

また、「直近13ヶ月以内に1ヶ月以上の未納がない」という要件もあります。これは、最近の社会生活の中で保険料を納める意識がある程度あることを確認するための要件です。

厚生年金加入者の場合 原則として、初診日の前々月までの保険加入期間のうち、3分の2以上の期間において保険料を納めていることとされています。なお、厚生年金については雇用主が保険料を納める仕組みであるため、給与から天引きされている場合が多く、納付要件を満たしていないケースは比較的稀です。

保険料の「未納」と「免除」は異なります。免除期間も保険料納付期間と同じく取り扱われるため、学生時代に学生納付特例を受けていた場合や、失業などで申請免除を受けていた場合には、その期間も算入されます。

初診日要件とは何か

初診日とは?障害年金申請における特定方法と重要性を詳しく解説していますが、初診日は「その疾病やけがについて、初めて医師の診察を受けた日」を意味します。障害年金の申請において、初診日は極めて重要な要素です。なぜなら、初診日がいつであるかによって、その時点での加入状況が決まり、どの年金制度から給付を受けるかが決定されるからです。

初診日の具体例

  • 交通事故でけがをして、その日に病院に行った→その日が初診日
  • 5年前から腰痛があったが、今回初めて医師の診察を受けた→今回が初診日
  • 精神疾患で、内科医に相談してから精神科を受診した→内科受診日が初診日

初診日が重要な理由は、その日付を基準として「どの年金制度に加入していたか」が判断されるからです。たとえば、初診日が厚生年金加入中であれば「障害厚生年金」、国民年金加入中であれば「障害基礎年金」という具合です。

初診日の証明は、多くの場合において申請時の大きな課題となります。昔の受診記録が残っていない、受診した病院が廃院している、診断書に初診日が明記されていないなどの問題が生じることがあります。このため、可能な限り早期に医療機関に初診日の確認を取ることが重要です。

年齢制限と受給可能な時期

障害年金は、「障害の状態」と「初診日」を基準に判断され、受給者の年齢そのものに上限はありません。つまり、70歳で初めて障害状態になった場合、障害年金を新規に申請することが可能です。

ただし、注意すべき点があります:

20歳前の初診日による場合 20歳未満の時点で初診日がある場合、通常の保険料納付要件は問われず、障害基礎年金のみが対象となります。この場合、20歳に達した時点で「障害基礎年金」の申請ができます。

20歳以上65歳未満の初診日による場合 この期間に初診日がある場合、上述の保険料納付要件を満たしていれば、いつでも申請できます。

65歳以上の初診日による場合 65歳以上での初診日は、原則として老齢年金と競合するため、重複給付は行われません。ただし、既に老齢年金を受給していない状態であれば、障害年金の方が有利な場合もあります。

国籍や在日期間の要件

日本国籍を持たない方でも、一定条件の下で障害年金を受給できます。

外国籍の方の受給要件

  • 日本国内で公的年金に加入していた期間があること
  • 現在、日本国内に住所があること(通常)
  • 加入期間中に初診日があること

実務上は、永住者、定住者、就労ビザ保持者など、長期在日している方の申請を多く取り扱っています。在日期間の長さよりも、「公的年金への加入状況」と「初診日」が重視されます。

また、国民年金の保険料に関する特例制度もあります。外国籍の方で日本への勤務が一時的な場合、加入期間短縮要件の適用などが検討される場合もあります。具体的な要件については、年金事務所に確認することをお勧めします。


障害年金の対象となる疾病・障害

精神疾患(うつ病、統合失調症、躁うつ病など)

精神疾患は、障害年金の認定件数の中で最も多い疾病カテゴリーです。厚生労働省の統計によると、精神疾患を理由とした障害年金受給者は全体の約55%を占めています。精神疾患による障害年金申請ガイド|受給要件と手続きでも詳しく解説していますが、精神疾患の申請には特別な配慮が重要とされています。

うつ病 うつ病は、気分の著しい低下、意欲の低下、睡眠障害などを特徴とする疾患です。障害年金の認定において、うつ病は「症状の程度」と「治療継続の状況」が重視されます。診断書には、現在の日常生活の状態、就労の可能性、社会的な対人関係の状況などが詳細に記載される必要があります。

一般的に、以下のような状態が2級の判定目安とされています:

  • 外出が困難、または外出時に家族の付き添いが必要
  • 身辺の清潔保持が困難
  • 簡単な日常生活行為(食事、着替え)を自分で行うことが困難
  • 就労の見込みが立たない状態

統合失調症 統合失調症は、幻覚や妄想などを伴う精神疾患です。症状の変動が大きく、症状が安定している時期と不安定な時期があります。障害年金の認定では、「現在の精神症状」だけでなく「治療対応の状況」「入院・外来通院の頻度」なども総合的に判断されます。

統合失調症で1級となる場合は、日常生活のほぼすべての場面で他人の援助が必要と判定されたケースが該当します。2級の場合は、就労が困難で、社会生活の維持に常に支援が必要な状態です。

躁うつ病(双極性障害) 躁うつ病は、躁状態(気分の異常な高揚)と抑うつ状態が交互に現れる疾患です。症状の波が大きいため、診断書を作成する時期によって医学的な状態が大きく異なる可能性があります。申請時には、「症状が比較的安定している時期に診断書を取得する」ことが有利に働く場合があります。

よくある質問

精神疾患での障害年金申請に診断書以外に必要な書類はありますか?

病歴・就労状況等申立書が重要です。日常生活の具体的な状況や就労に関する詳細を記載し、診断書を補完する役割があります。

うつ病で1年未満の通院でも申請できますか?

初診日から1年6ヶ月以上の経過が必要とされています。ただし、症状が重篤で明らかに障害状態が固定している場合は例外もあります。

神経・脳疾患(パーキンソン病、脳梗塞、脊髄損傷など)

神経疾患や脳疾患は、医学的な客観性が重視される疾患群です。MRI、CT、脳波などの検査結果が重要な判断材料となります。

パーキンソン病 パーキンソン病は、進行性の神経疾患であり、震戦(ふるえ)、筋固縮、寡動(動きが遅い)などの症状を特徴とします。初期段階では症状が軽微であっても、年数の経過とともに進行し、日常生活や就労に深刻な影響が出てくるため、障害年金の認定では「進行性疾患」として慎重に評価されます。

1級の判定となる場合は、歩行が不可能に近い、あるいは著しく制限されており、食事や排泄に常に介護が必要な状態です。2級では、独歩が困難で、室内の移動に支援が必要な状態が目安とされています。

脳梗塞と脳出血 脳梗塞や脳出血の後遺症は、障害年金の対象となりやすい疾患です。多くの場合、片麻痺(体の片側が動かない)や言語障害、高次脳機能障害などが後遺症として残ります。

認定では、初診日(発症日)からの経過期間、リハビリテーション治療の有無と効果、現在の日常生活動作(ADL)が重視されます。脳画像検査(MRI、CT)で脳損傷が確認でき、かつ臨床症状との整合性が認められることが、認定を得やすくする要素となります。

脊髄損傷 脊髄損傷は、交通事故やスポーツ外傷などにより生じる障害です。損傷の部位や程度によって、身体障害の深刻度が大きく異なります。

頸椎(首の脊骨)での損傷は、両腕と両脚の機能を失う可能性があり、最重度の障害年金(1級)の対象となることが多いです。胸椎(胸部の脊骨)での損傷の場合も、両脚の機能を失うため、1級ないし2級の判定が一般的です。

肢体不自由(骨折後遺症、切断など)

肢体不自由は、目に見える障害であるため、医学的な判定が比較的明確です。

骨折後遺症 骨折自体は、治療によって回復するため、急性期の骨折では障害年金の対象外です。しかし、骨折後に関節が固くなる(関節拘縮)、あるいは神経障害や血管障害が生じて、機能が著しく低下した場合には、対象となります。

たとえば、複雑骨折で股関節が完全に動かなくなった、あるいは脚の骨折後に感染症が生じて、脚の機能がほぼ失われた状況などが該当します。

切断と機能喪失 腕や脚の切断は、障害年金の対象となりやすい疾患です。厚生労働省の認定基準では、以下のように区分されています:

  • 両上肢切断→1級
  • 両下肢切断→1級
  • 一上肢切断(手首より上)→2級
  • 一下肢切断(膝より上)→2級
  • 片手と片脚の同時喪失→1級

実際の判定では、切断部位の正確性が重要です。たとえば、「手首より下の切断」と「手首より上の切断」では、認定される等級が異なる場合があります。

感覚器官障害(視覚障害、聴覚障害)

感覚器官障害は、医学的な検査結果により客観的に判定されます。

視覚障害 視覚障害の認定では、両眼の視力(矯正視力)が重視されます。加えて、視野の狭窄(視野が狭くなること)も評価対象となります。

認定基準は以下の通りです:

  • 1級:両眼の視力が0.04以下
  • 2級:両眼の視力が0.07以下

この数値は医学的な測定結果であり、主観的な訴えではなく、眼科医による客観的な検査結果が提出される必要があります。

聴覚障害 聴覚障害の認定では、両耳の聴力レベル(デシベル単位)が評価されます。高周波音が聞こえにくい場合と低周波音が聞こえにくい場合で、生活への影響が異なるため、詳細な聴力検査が実施されます。

認定基準は以下の通りです:

  • 1級:両耳の聴力が100デシベル以上
  • 2級:両耳の聴力が90デシベル以上

補聴器の使用の有無も検査項目に含まれ、補聴器の装用時の聴力レベルではなく、装用前の聴力が評価対象となります。

内部疾患(糖尿病、心疾患、肺疾患など)

内部疾患は、外見では分かりにくいため、医学的な検査結果による客観的な証明が特に重要です。

糖尿病 糖尿病自体は障害年金の対象外ですが、糖尿病の合併症により障害が生じた場合には対象となります。最も一般的な合併症は以下の通りです:

  • 糖尿病網膜症による視力低下→視覚障害として評価
  • 糖尿病神経障害による両脚の感覚喪失→神経障害として評価
  • 糖尿病腎症による人工透析の必要性→内部障害として評価

特に、人工透析を必要とする場合には、透析開始後3ヶ月経過以降で申請でき、2級相当の給付が受けられる場合があります。

心疾患 心疾患の認定では、心機能の客観的な検査結果(心エコー検査、心電図など)が重視されます。胸痛や息切れなどの自覚症状だけでなく、医学的な心機能低下が証明される必要があります。

  • 心不全により著しい運動制限がある場合→2級相当
  • 不整脈により日常生活全般に支障がある場合→2級相当
  • ペースメーカーを装着している場合→3級相当(厚生年金のみ)

肺疾患 肺疾患(COPD、間質性肺炎など)の認定では、肺機能検査(スパイロメトリー)の数値が重要です。特に、1秒率(FEV1/FVC比)という指標が重視されます。

  • 肺機能が著しく低下し、酸素療法が必要な場合→2級相当
  • 日常的な労作で息切れがある場合→2級相当
  • 肺移植後の状態→1級相当の可能性

その他の対象疾病と認定基準

上記以外にも、多くの疾病が障害年金の対象となります。

がんと悪性腫瘍 進行がんで転移がある場合、あるいは治療の過程で重篤な機能障害が生じた場合が対象です。たとえば、喉頭がんの手術により音声機能を喪失した、膵臓がんの手術により糖尿病が悪化したなどの場合が該当します。

関節リウマチ 複数の関節が侵されて、日常生活や就労に著しい支障がある場合が対象となります。特に、手指の複数関節が著しく変形し、把握力や物の持ち上げが困難になった状態が認定を受けやすくします。

難病(指定難病) 脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症など、厚生労働省が指定した特定疾患の場合、診断書の提出により比較的認定されやすい傾向があります。


障害年金の支給額と計算方法

障害基礎年金の支給額(1級・2級別)

令和6年度における障害基礎年金の支給額は、以下の通りです:

1級:年間993,750円(月額約82,813円) 2級:年間795,000円(月額約66,250円)

これらの金額は、毎年度の物価指数に基づいて改定されます。物価が上昇すれば支給額も増額され、物価が下降すれば減額される仕組みです。

障害基礎年金は、被保険者の加入期間や給与額に関わらず、定額で支給されることが特徴です。つまり、自営業で高い収入がある方も、フリーターで低い収入の方も、同じ等級であれば同じ金額を受給することになります。

障害厚生年金の支給額構成

障害厚生年金の支給額は、以下の3つの要素で構成されています:

1. 配偶者加算を除いた障害厚生年金(基礎年金部分) これは障害基礎年金と同額です。1級なら993,750円、2級なら795,000円です。

2. 報酬比例部分 被保険者が納めた保険料に応じた、月額3万円〜15万円程度の追加給付です。給与が高いほど、加入期間が長いほど、報酬比例部分は増額されます。

3. 配偶者加算(条件を満たす場合) 受給者に配偶者がいる場合、年間224,700円(月額約18,725円)の加算が行われます。

障害年金申請に必要な書類一覧|完全チェックリストもあわせてご参照いただくと、申請手続きの全体像が把握できます。


まとめ

障害年金は、疾病や障害によって生活に困難が生じた方々の経済的安定を支える重要な公的制度です。医学的な要件、保険料納付要件、初診日要件など複数の条件を満たす必要があり、申請には専門的な知識が求められます。

受給を検討される方は、まず自身の状況が受給要件に該当するかを確認し、身体障害の障害年金等級判定基準と認定方法などの関連記事も参考に、早めに専門家にご相談されることをお勧めします。

※本記事は情報提供を目的としており、個別の事情により異なる場合があります。詳細は専門家にご相談ください。

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